前回、ガリバーの定額制サービス「NOREL」について調べてみました。
今回はトヨタで2019年から開始される話題の定額制サービス「KINTO」について調べてみようと思います。
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トヨタ 定額制サービス「KINTO」とは
KINTOの意味は、孫悟空がのっている「筋斗雲」からとった言葉で、「必要な時にすぐに現れ、どこでも好きに行ける」という意味なのだそうです。素早くて簡単でスピーディーなイメージってところでしょうか。
所有から利活用へ トヨタの狙い
KINTOの展開にあたって、トヨタでは以下のような説明をしています。
2018年11月 TOYOTAグローバルニュースより抜粋
私達アラフィフ世代が20代だった頃、車を所有することはステイタスの一つだったと思います。特に男性は、車にお金をかけていた印象が強いです。良い車に乗る=女性にモテる という方程式がある程度成り立っていたような時代でしたよね。ですが、最近は「若者のクルマ離れ」が目立ち、車を買いたくない若者が増えているという話も聞きます。
「車が便利ということに変わりはないけれども、所有するにはお金もかかるし、必要な時だけレンタルすればいい」という考えが増えてきているのかもしれません。トヨタのKINTOは、こういった時代に対応するためにでてきた新しい戦略かと思われます。
東京都内で始まったトライアルの内容
トヨタでは、2019年2月6日より「KINTO SELECT」、2019年3月1日より「KINTO ONE」の2種類のサービスを開始しました。当面は東京都内のトヨタ販売店およびレクサス販売店(一部販売店を除く)での限定トライアルとなります。
KINTO SELECTの概要
KINTO SELECTについて調べてみました。
契約期間は3年
KINTO SELECTはトヨタの人気車レクサスの新車が3年間で6台乗り比べることができるプランとなっています。
セレクトできる車種
IS300h、RC300h、RX450h、ES300h、NX300h、UX250hになります。同じモデルに2回以上乗ることも可能です。レクサスオーナー専用サービス「レクサスオーナーズデスク」が利用可能で、緊急時のサポートや相談などが24時間365日対応しています。
月額は180,000円(税抜)
パンフレットに掲載されている車種・グレード、付帯オプション以外は選ぶことができません。
月額料金に含まれているもの
車検代、登録諸費用、税金、メンテナンス費用、任意保険、自動車税、消耗品代(タイヤ除く)が含まれています。駐車場代とガソリン代が自己負担になります。メンテナンス等はトヨタ・レクサスの正規販売店で実施されます。
その他
- 喫煙やペットの乗車、車両の改造などは禁止
- ナンバーは「わ」ではない
- KINTOには任意保険がパッケージに含まれている為、以前加入していた任意保険は「中断制度」を活用した方がいい(加入の保険会社による)。
- 乗り換えのタイミングは6ヶ月毎
- 車の所有名義は㈱KINTO
- これまで乗っていた車の下取りはなし
KINTO ONEの概要
KINTO ONEは以下の通りです。
契約期間は3年
KINTO ONEは好きな車一台を3年間乗ることができるプランです。3年間で乗り換えることにより、生活の変化に合わせて車種を選ぶことができるというメリットがあります。
対象車種
プリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウン
月額料金
- プリウス 46,100円~55,400円(税抜)
- カローラスポーツ 49,500円~58,700円(税抜)
- アルファード 79,000円~92,000円(税抜)
- ヴェルファイア 75,000円~88,000円(税抜)
- クラウン 90,000円~99,000円(税抜)
詳しくは公式サイトにて見積もりが可能です。
月額料金に含まれているもの
車検代、登録諸費用、税金、メンテナンス費用、任意保険、自動車税、所定の消耗品の交換(タイヤ除く)が含まれています。こちらもKINTO SELECT同様、駐車場代とガソリン代のみ自己負担になります。
その他
- 安全運転やエコ運転など、使用状況をポイント化して支払代金に充てることが可能なポイントサービスを2019年秋以降に導入予定
- 月間走行距離制限は、1,500㎞、3年間で54,000㎞
- 喫煙、ペットの乗車、車両の改造等、車の価値を低下させる行為は禁止
TOYOTAの定額制サービス「KINTO」 まとめ
トヨタが力を入れて売り出したいのは富裕層向けサービス「KINTO SELECT」だと思われます。トヨタの代表的な高級車レクサスが月額18万円で3年間に6台乗ることができるのは、お得なサービスと言えるかと思います。
焦点は、レクサスがターゲットにしている層がKINTO SELECTに興味を示すかという点にあると思います。個人的なイメージですが、レクサスは弁護士や医者、もしくは中小企業の社長など、年齢層は比較的高めなイメージがあります。愛車を大切にするイメージがある高齢者層が、半年間毎に乗り換え可能なプランに興味を示すのかが興味深く感じます。
「KINTO ONE」は、20代~40代向けの中間層~富裕層をターゲットにしたサービスと見ています。20代向けにはカローラスポーツを用意し、結婚~子育て世代向けには人気の高いアルファードやヴェルファイアをあて、3年毎ライフスタイルの変化と共に乗る車を選択できる利点があります。
ただ、このサービスも、どこまで需要があるのかが興味深く、この先の進展を見守っていきたいと思います。